「今さら聞けない新型コロナウイルス」 池山 博文 会員
政府の無策のせいかGOTOに踊らされた国民の油断からか、12月に入り第三波が猛威を振るっている新型コロナですが、意外なことに基本的なことを理解せずに騒いでいることに気づかされたのであらためて整理してみました。
(1)ウイルスってどんな生物?・・・病気の原因となる病原微生物のなかで最も小さく細菌の1/10~1/100の大きさ。細胞を持たないため自ら増殖できず(生きられず)動物の細胞内に侵入して増殖するため生物と非生物の両方の特徴を持つが、一般的には生物ではないと言われています。
(2)新型コロナってなに?・・・ウイルスの表面に突起があることが特徴で、その形態が王冠crownに似ていることからギリシャ語の王冠coronaという名がつけられた。コロナウイルスには風邪のウイルス(インフルエンザではない)とSARS、MARSがあり、どれとも異なるということで「新型」と言われているが実はSARSウイルスに限りなく近い。
(3)新型コロナウイルスはどこから来たの?・・・SARS、MARSと同様にコウモリを宿主としているようですが、中国の第一報では昨年12月末に武漢市の海鮮市場から発生したとされています。ただしこれには諸説あり、米国はさかんに市場近くの研究所から流出したと指摘しており、イタリアや米国でそれ以前にウイルスの痕跡があったとの情報もあり、今後の研究成果が期待されます。
(4)新型コロナウイルスはいつまで感染力があるの?・・・飛沫感染と接触感染が考えられますが、ウイルスはそれぞれの環境で生存期間(厳密には「生存」ではないが)が異なります。温度が低く湿度が低いほど長く感染力を保持し、空気中のエアゾルで3時間、ボール紙・プラスチック・ステンレスの表面で24時間とのデータがあります。
(5)現実的な感染予防対策は?・・・京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授が「1/100作戦」を提唱されています。ウイルスをゼロにしなくても1/100に減らせば感染しないとの考え方で、その一例をあげると 「手洗いは水15秒でOK! 完璧に洗うよりこまめに洗う!」 「ずっとマスクをしていると熱中症の危険あり! マスクをとったら無言か小さな声で」 「エアコンをかけていても窓を開けて換気する」 など、あまり神経質にならずに現実的な対策を示されているので参考にしていただければと思います。