国際奉仕・姉妹クラブ交流委員会 中根 三恵子 委員長
国際奉仕とは、ロータリーの第4奉仕部門で、人道的国際奉仕、国際理解、親善、平和を推進するために実施する活動のことであり、その起源は1917年頃、約100年前の第一次世界大戦中、アメリカ、カナダ、ヨーロッパのRCが各地の負傷兵や避難民、復員してくる軍人にボランティアや物資援助を行うといった活動にあるとのこと。そういった歴史的背景を受けて、「奉仕の理想に結ばれた事業と専門職務に携わる人および地域社会のリーダーの世界的親交によって、国際間の理解と親善と平和を推進する」という概念が1922年に明文化されたそうです。
国際奉仕の4つの活動の内、一番分かりやすい例が人道的国際奉仕ですが、2660地区では多くのクラブが海外クラブと姉妹友好クラブを提携し、連携して国際奉仕活動をしているところが多いようです。以下にプロジェクト例を紹介致します。
【プロジェクト例】
大阪北梅田RCは2016~2017年にかけて25周年記念事業として、西北RC、新潟新発田RC、台北南山RCと共同でタイのパッタルン県に対して人道的国際奉仕を行った。
【背景】
タイでは、一般的に辛い料理を毎日食べているので、糖尿病や高血圧の患者が多く、その予備軍も非常に多い。更に悪いことに腎臓病に対する予備知識が全くないので、自覚症状のない患者が年々急増している。タイのパッタルン県では入院が必要な腎臓病患者を受け入れる体制が出来ておらず、重症患者は入院も出来ずに死亡しているケースもある。
【奉仕内容】
① 人工透析器の寄贈、増設で患者の受入れ体制を強化、また安い治療費で貧困層の透析患者も治療可能な体制にすること。
② 腹膜透析(CAPD)器材の寄贈により、初期患者には自宅で透析治療を受けられるようスタッフが訪問指導する。また生活環境の改善をアドバイスして、病気のステージを上げないようにする。
③ 地元で腎臓病の予防啓発セミナーを実施し、腎臓病患者の増加に歯止めをかける。
【プロジェクト資金】
タイのRC18クラブから$2000、北梅田RCを中心とする4クラブから$7500、2660地区グローバル補助金から$17200、ロータリー財団から約$22000 総額 $48,650
【成果】
パッタルン県での腎臓病患者の減少、末期腎臓病による死亡者数の減少、継続活動として、毎年世界腎臓病デーに合わせて、腎臓病の予防啓発セミナーを実施していく。
【感想】
ロータリー歴の浅い会員に国際奉仕について実感してもらえた手応えを感じた。
実施国側との緊密な打合せのお陰で支障もほとんどなく、またプロジェクトの骨子がしっかりしていたため、2660地区による全面的なバックアップにより地区補助金もR財団のGG申請も大変スムーズに進行した。