「あなたもワイン通 Part4」 大谷 定子 会員 初歩からわかる超ワイン入門 (ワインのコツがひとめでわかる)
●ワインとは?
ワインはブドウを原料として造られるお酒です。ブドウの果汁に含まれる糖分が、酵母の働きにより発酵し、アルコールと炭酸ガスに分解されます。同時にさまざまな香り、味わいの成分が生まれ、ワインとなります。またブドウには発酵に必要な果汁と糖分が充分に含まれるため、醸造過程で他の醸造酒のように「仕込み水」や「糖化工程」などが必要ありません。このようにワインはブドウのみを原料としたアルコール飲料であるため、原料となるブドウの質がワインの品質に大きく影響します。
●ワインの種類
ワインは醸造方法の違いにより、次の4つのタイプに大きく分類されます。
①スティル・ワイン(Still Wine)
非発泡性である、白ワイン、ロゼワイン、赤ワインの総称。味わいは辛口から甘口までさまざまです。
②スパークリング・ワイン(Sparkling Wine)
炭酸ガスによる発泡があるので、一般的には3気圧以上のガス圧のものです。辛口から甘口まで幅広い味わいがあります。フランスのシャンパーニュ、ヴァン・ムスー、クレマン、ドイツのゼクト、イタリアのスプマンテ、スペインのカバなどが代表的なものです。
③フォーティファイド・ワイン(Fortified Wine)
ワインに、40度以上のブランデーやアルコールを添加したお酒です。代表的なものにスペインのシェリー(Sherry)やポルトガルのポート・ワイン(Port Wine)があります。食前酒や食後酒として活躍することの多いお酒です。
④フレーヴァード・ワイン(Flavored Wine)
ワインに薬草、果実、甘味料やエッセンスを加えて独特な風味づけをしたものです。サングリア(Sangria)やヴェルモット(Vermouth)が有名です。
●ワインの選び方
ワインを楽しもうとする時に、ワインのスタイルや風味、産地に加えて、そのTPOを考えることもポイントです。こういった点をソムリエや酒販店のスタッフに伝えてからワインをすすめてもらうのもよいでしょう。
味の好みや人数(アルコール耐性や飲むであろう本数)、カジュアルな会なのか、フォーマルな会なのか(価格の目安がわかります)もポイントです。飲む時の季節や気候、時間帯によってもおいしく感じられるワインが変わってきます。もちろん好みもありますが、たとえば、夏のテラス席のランチならば、よく冷やした軽めのロゼワインや白ワイン、冬のディナーならばしっかりした赤ワインなどがより魅力的に感じられるでしょう。
●ワインのラベルには何が書かれてあるのか
酒販店に行くと、さまざまな産地やタイプのワインが並んでいます。その中から目的のワインをどのように探し出せばよいのでしょうか。それにはまずワインの「顔」ともいえるラベルの読み方を知ることです。今、日本では世界中のワインが手に入りますが、原産国や生産者、ヴィンテージなどのほか、ワインのタイプなどがラベルに記載されていることも多くなっています。このうち、いくつかのポイントをおさえておきましょう。
①ワイン名:一番大きな文字で記載されていることが多く、生産者名やブランド名、あるいは原産地や品種名などの場合もあります。
②原産国名:比較的小さな文字で記載されていることが多く、輸入ワインでは英語表記されるのが一般的です。
③ヴィンテージ:ワインに使用したブドウの収穫年ですが、特に記載がない場合や裏ラベルに書いてあることもあります。
④アルコール度数:通常はラベルに記載されています。また、輸入業者が貼る裏側のステッカーで確認することもできます。ワインのアルコール度数は13%前後が一般的です。12%未満であれば比較的低め、15%前後であればかなり高めといえます。
⑤容器の容量:750mlが一般的な容量ですが、その半分のハーフボトルや2本分のマグナムボトルなどさまざまなサイズがあります。750mlの場合、標準的なワイングラスであれば6杯分(1杯125ml)となります。
⑥その他:近頃はボトルの裏ラベルに、ワインのタイプや合わせる料理などが書かれてあるものも多いので、参考にするとよいでしょう。