「改めまして自己紹介 仕事編」 髙野 幸雄 会員
前回は「改めまして自己紹介」ということで、自身の生い立ちから当RC入会そして現在に至るまでのプライベートなお話をさせて頂きました。今回は、私は代表を務めます阪和ホーロー株式会社のご紹介と、ほうろう事業についてお話させて頂きたいと思います。
私は大学を卒業後、イベント制作会社に入社し、約4年間サラリーマン生活を送りました。
1989(H元年)阪和ホーロー株式会社に転職し、1998(H10年)結婚、同時に社長に就任いたしました。
その後、2003(H15年)2月、ご縁があり近藤会員(当時会長)のご紹介で当RC入会に入会させて頂き現在に至ります。
現在、私が代表取締役を務めます 阪和ホーロー株式会社の沿革は
昭和32年 尼崎琺瑯株式会社として尼崎市長洲通1-24に本社工場を設立しました。
(設立当時は 私の祖父が営む米穀商店が、燃料としての石炭を収める一取引先でした。)
昭和34年 社名を尼崎エナメル株式会社と改称、祖父清太郎が代表取締役に就任。
(尼崎琺瑯は経営難に陥り、石炭代金の回収もままならぬ状況となったが、ほうろう事業自体に可能性を見出していた祖父
と父兄弟が、会社を引受ける形で再起を図った。)
昭和44年 本社を泉南市新家に移し、社名を阪和ホーロー株式会社と改称。
(事業も軌道に乗り工場も手狭になったこともあり、元々祖父が泉佐野市出身であった泉州地区に新天地を求めた。)
平成 元年 父圭市が社長に就任。
(父は当時より闘病のため入退院を繰り返していた、業界関係者からの進言もあり家業を継承することを決断し、同年入社
にいたる。)
平成10年 髙野幸雄 代表取締役に就任。
平成14年 当RCメンバーの榎本さん、大屋さんと共同出資の上、(現)株式会社ユニットを設立。
平成18年 創立50周年事業の一環として 本社工場を現在地に移転しました。
この年、株式会社ユニットの投資により中国浙江省にて「浙江優你得金属製品有限公司」設立。
(海外でのアンテナ工場として、現在 大手家電メーカーへの部品供給会社として操業中)
設立当時は、正にマイナスからのスタートであり、祖父、父兄弟そして母達を巻き込んで一家総出で事業を軌道に乗せたと聞いています。
「ほうろう」についてお話させて頂きます。
ほうろう の起源は古代エジプト時代、ツタンカーメン王の黄金マスクに施された七宝細工が有名です。
日本では素地が貴金属(金・銀・銅等)の場合の装飾ほうろうを「七宝」と呼びます。一般的な ほうろうは素地が鉄であり、ステンレスの場合はステンレスほうろう、アルミの場合はアルミほうろうという呼び名になります。
基本的には鉄にガラスを焼き付けるのですが、本来 鉄とガラスは融合するものではなく、その間に一定の介在物を施し、高温で溶融ことにより化学的な融合を得ます。この工程管理にノウハウがあり、ほうろう釉薬自体が無機の自然鉱物から形成されていりので その管理に難しさをはらんでいます。
平成14年に当社が移転した際に ガスを熱源とする焼成炉2基を新調し、その後平成22年に電気炉1基を増設しました。
既にほうろう業界自体は成熟産業であり、無謀な投資とも揶揄されましたが、現在では最新鋭の設備を有するほうろう工場として認知して頂き お問い合わせも増えております。
当社はこれまで、主にガス器具メーカー様、家電調理器具メーカー様、暖房機器メーカー様へのほうろう部品供給を手掛けて参りましたが、今後はこのB to Bのお仕事も堅持しつつ、新たにほうろう器物等完成品を手掛けてB to Cの分野へも挑戦を始めています。
その一環としてMOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)/大阪府商工労働部中小企業支援室ものづくり支援課)の協力を仰いで 当社のオリジナル商品を「大阪製」というブランド商標認可を得て販促支援を頂いたり、その商品開発のコンセプトを評価頂き、本日配布させて頂いたMOOV,pressという中小企業向けの情報誌に掲載頂いたりと、多面的な支援を頂いています。
皆様も是非、事業展開での公的支援が必要な場合はご相談されることをお勧めします。
最後になりましたが、今後も、この事業を続けさせて頂ける事のへ感謝の思いを お客様、従業員、そして関係する皆様に還元し、さらにはロータリー活動等を通じて社会にも還元していく事を使命として生きたいと思いますので ご指導のほど よろしくお願い申し上げます。
ご清聴ありがとうございました。