「あなたもワイン通 Part 2」 大谷 定子 会員
Chardonnay (シャルドネ) 世界の中で愛される白ワインの優等生、国際派の代表
白ワイン用の最もポピュラーな品種といえばシャルドネ。比較的土壌や気候を選ばないので、世界中で栽培され、カジュアルにさっぱりとアウトドアで楽しめるようなフレッシュタイプから、コクのある樽熟成した高級感あふれるものまで、多種多様のワインが造られています。フレッシュなタイプはりんご系の甘い香り、樽熟成したタイプはバターやバニラの香りがし、どちらもさわやかな酸みと豊かな果実味が特徴です。
代表的な産地はフランスのブルゴーニュ地方で、主に樽熟成することにより上質な辛口ワインに仕上げられます。特に有名なのは「シャブリ」や「モンラッシェ」など。また、シャンパニュー地方では、「シャンパン」の原料にもなります。そして、フランスだけでなく、カリフォルニアのシャルドネも優れた評価を受けており、また、オーストラリア、チリ、南アフリカといった新大陸や、イタリア、スペインでもこの品種から良質なワインが多く造られています。お酒に強くなくて、自分は白ワインは甘口しか飲めない……と思っていたワイン初心者時代、辛口ですが、果実味あふれる南フランスのシャルドネに感動したことがありました。果実味たっぷりのシャルドネは誰にも愛されるワイン。国や産地にこだわらず世界の中から優秀なシャルドネを探してみましょう。
Riesling (リースリング) ワイン初心者にも上級者にもうれしい酸みと甘さの人気者
ドイツを代表する品種で、モーゼル川流域やライン川流域で多く栽培されています。実は小粒で、10月から11月に完熟する晩熟タイプ。豊かな果実香があり、天然の甘みとさわやかな酸みを持ちます。
ワインをこれから飲んでみようと思う人には、絶対にドイツのリースリングがおすすめ。実は私もドイツのリースリングでワインの世界にはまってしまったのです。特に収穫時期を遅くしたシュペトレーゼやアウスレーゼといったランクのワインはたっぷりとした甘さと酸みが相まって、初心者やお酒の苦手な人にも人気です。長期熟成にも向く品種ですし、またどんな土地でも個性を発揮するので、世界各地で甘口から辛口までさまざまなタイプが造られています。フランスのアルザス地方は、アルコール度が高めですっきりした酸みのある、繊細な辛口ワインが造られています。その他、新大陸のリースリングも、フルーツ感たっぷりで初心者にも上級者にもOKです。
Sauvignon Blanc (ソーヴィニヨン・ブラン) 若草のように清楚なのにしっかり! 食事を引き立てる国際派
シャルドネと同様、世界中で愛されている品種です。「ハーブのよう」「刈ったばかりの芝生のよう」などとたとえられる植物系の香りとさわやかな酸みが特徴です。加えて、いぶしたようなスモーキーな香りがあることから、カリフォルニアでは「フュメ・ブラン」とも呼ばれています。
こうした品種の特徴は、樽熟成しないフレッシュなタイプのワインによく反映され、代表的産地であるフランスのロワール地方では、ソーヴィニヨン・ブランを単独で用いたフレッシュタイプのワインが多く造られています。それに対して少し南のボルドー地方やカリフォルニアなどの比較的温暖な地域では、樽熟成し、たいへん柔らかな味と香りの優秀な辛口ワインも造られます。これらの中には、シャルドネにも負けない高級感のあるワインもたくさんあります。
色も淡く、すっきりと酸みもさわやかなソーヴィニヨン・ブランは、ワインだけで飲むよりも、料理の名わき役になれるくせのないものが多く、フレッシュなタイプは和食にもぴったり。前述の産地のほか、南フランス、イタリア、ニュージーランド、チリなど世界各地で栽培され、さまざまなスタイルのワインとなっているので、食事のお供に、ぜひいろいろ試してみてください。