「研究開発のお話 Part 8」 近藤 嘉一 会員
「研究開発に影響を及ぼす社会環境」
前回のPart7では研究開発を分類すると、(1)基礎研究 (2)応用研究 (3)開発 にわけられ、それぞれの項目についてのお話しを致しました。
企業において、研究開発は常に重要課題であり、特に社会的変動が激しい時代ほど、新製品開発の要求が強く、大きな影響力や競争力がある、製品寿命の永い新製品の開発や主力製品、大型商品となり得る新製品開発への努力が求められます。
今回は研究開発そのもの或いは研究開発部門に影響を及ぼす外部要因としての社会環境についてお話しをします。
社会環境要因として、次のような6項目にわけました。
【研究開発に影響を及ぼす社会環境要因】
(1)技術変化 ・ 新素材新技術の登場 ・ 超高度エレクトロニクス化 ・ 製造プロセスの革新 ・
要素技術の高度化 ・ システム化、複合技術の進展 ・ 異種技術の結合
(2)市場構造の変化 ・ 顧客ニーズの多様化 ・ 国内同業他社、外国企業との競争激化 ・ 業界の寡占化の進展 ・
異業種からの参入
(3)国際環境変化 ・ 主要取引国の景気変動 ・ 主要取引国の貿易関税政策の変更 ・ 新興国の追い上げ ・
為替相場の変動 ・ エネルギーなど原材料の高騰、供給制限 ・ 貿易摩擦 ・ 賃金格差 ・ 労働人口問題
(4)マクロ経済、産業構造変化 ・ 日本経済の低成長 ・ 産業の情報化、ソフト化 ・ 公共投資の増大 ・
環境、 安全規制など国、政府の規制 ・ 産業の空洞化
(5)社会変化 ・ 価値観や意識の多様化 ・ 人口減少 ・ 人口の高齢化 ・ 企業の雇用制度の変化、派遣社員 ・
IT、情報技術進化
(6)自然環境変化 ・ 地球温暖化 ・ 水問題
これから先、新素材や新技術の動向や市場構造、産業構造、国際環境などの社会環境がどの様に変化していくかについての予測が極めて重要であります。