■会長の時間
【酸っぱいふどう】
西欧の故事。
イソップ物語には誰でも幼いころから親しみ、よく知っている話がたくさんあるのではないだろうか。イソップは、紀元前6世紀初めころのギリシア人。もとは奴隷の出身で、話が非常に上手だったので、自由な身にされたといわれている。
イソップ物語には、狐の話が10以上もあるが、なかでも特に名高いのが「狐と葡萄」の話である。
腹のへった一匹の狐が、ぶどう棚の下にやってきた。うまそうになっているぶどうをなんとか取って食べようとする。が、棚が高くてどうしても手が届かない。そこで口惜しがっていった。
「ありゃあ、まだよく熟れていない。酸っぱくて食べられないぶどうだ」 この狐の話から、欲しくても手に入らないものに、けちをつけて自らを慰める、負け惜しみのことを「酸っぱいぶどう」というようになった。
ヨーロッパでは、狐は、狼とならんで悪者の筆頭におかれている。狡猾で、抜けめのない存在として憎まれているが、牧畜や農業をなりわいとしていたヨーロッパの人びとに、大むかしから、いろいろ被害を与えてきたせいだろう。
日本でも、狐は人間を化かす動物として恐れられている。が、ヨーロッパの狐よりは、人間に親しまれている。稲荷信仰がむかしから盛んであるのをみてもそれがいえる。
話はかわる。日本には古くから人獣交婚譚、つまり動物と結婚する人間の話がたくさんあった。女性が結婚する相手には蛇が多く、男性の相手は狐というのが通り相場になっている。外国では、ギリシア彫刻などでみられるように、男性の相手は羊がもっとも多い。
牛婚、馬婚、犬婚、鶏婚など、古代人の獣姦の習慣をしのばせる動物との結婚の話はいろいろあるが、不思議に日本では羊はまったく登場してこない。そのかわりといってはおかしいが、狐がさかんに美しい女性となってあらわれてくる。狐の容姿の柔軟さ、神秘性からの空想なのだろう。
往古、狐のことを「きつね」とはいわなかった。野干(やかん)とよんでいた。ある男と、野干の化けた若い美人とが結婚して、ふたりまでも子どもをもうける。が、不幸にして犬に噛みつかれそうになったとたんに、夫の目の前を一匹の野干の姿にもどってしまう。夫は、それをみて嘆きなからも、「わたしはお前が忘れられない。これからも、夜になったらきて、いっしょに寝てくれ」とかきロ説いた。すると野干も夫のことばに従って、夜ごと通ってきて、閨を共にした。そこから、野干を「来つ寝(きつね)」というようになったとか。
【来客紹介】 |
0名 |
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【出席報告】 |
25年5月17日(第544回例会) |
会員総数 |
出席免除会員 |
出席会員 |
欠席会員 |
出席率 |
32名 |
2名 |
22名 |
8名 |
73.33% |
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【幹事報告】
〔メールBOXに配布〕
1)第11回理事会・第2回次年度準備理事会 報告
2)プログラム変更のお知らせ
〔回覧資料〕
1)震災支援募金箱