「『健康』でつくる省エネ住宅」 和氣 勝海 会員
今まさに「省エネ」が求められており、東日本大震災以降「節電」が求められていますが、「住宅」において「省エネ」「節電」をむやみに求めても家の中で熱中症になったのではどうしようもありません。「省エネ住宅」の建設を推進しても、動機として「健康な住まいとは何か」の理解がないと「省エネ住宅」は浸透していかない、と南雄三さん(添付資料①)は言っておられます。
では健康な住まいとは何か?まず、住宅が及ぼす健康被害についてみますと、代表的なものが冬場のヒートショックです。全国で入浴死は年間14,000人にも達すると言われています(添付資料②)。阪神大震災で亡くなられた方が6,500人、東日本大震災で亡くなられた方、行方不明者合わせて2万人、交通事故で亡くなられる方が年間約4,000人ですので非常に多いといえます。
次にわかりやすい例がカビ・ダニからくるアレルギー症状です。喘息患者のアレルゲンの7割はダニという研究結果があります(添付資③)。住宅では結露からカビが発生し、それをえさにダニが発生します。そしてそれを吸い込むとアレルギーになりやすい、という図式です。又、睡眠障害などもあげられます。気温が29℃のとき一番レム睡眠が多いとか(添付資料④)、騒音が40db以下でないと睡眠の質が低下すると言われています(添付資料⑤)。
このように、室温が一定でヒートショックが起こりにくく、結露が無くカビ・ダニが発生しにくい、そして静かな室内空間を、しかも省エネで作る方法が外断熱工法と言われています。外断熱工法は建物本体の外側を断熱材で覆ったもので、断熱効果のほかにも色々なメリットがあります。
このようなことが、今では割りと簡単に、多くの費用を掛けずにできるようになってきました。北海道以外、特に西日本以西では、「局所冷暖房で我慢する」文化のため、そして最近ではこのような「省エネで、快適で健康的なくらし」が手ごろに得られることが知られてないために普及しないのではないかと言われています。
ご興味の有る方はぜひ一度お尋ねください!
以上