■会長の時間
今日の会長の時間は建設業界の話題パート2として「PHLaLa横浜事件」をご紹介します。
これは2015年「PHLaLa横浜」という分譲マンション4棟の内1棟が傾き、全棟705戸すべてを建て替えた、という事件です。
その前の2014年にも同じ横浜で「PS三ツ沢公園」で杭の施工不良他で建物が傾いたという事件が発生していました。こちらも建て替えられました。「PHLaLa横浜事件」の概要は、売り主:MR、設計・施工:M建設、杭施工:HH→AK→某施工業者。12階建4棟
705戸、2007年完成。ことの発端は、2014年入居者がEXPJとという建物と建物のつなぎ目がずれていることから売り主に建物の傾き調査を依頼。調査の結果、傾きは全長56mに対して2.4cm。(約4/10万)(施工基準1/1000)傾いていました。
2015年M建設は、社内調査の結果杭28本中8本が不完全であり、施工データが改ざんされていたと発表。(全体473本中70本データ改ざん)私見ですが、このため矛先が「AK」、問題点が「データ改ざん」に向いてしまったように思います。
・データ改ざんの原因
1.地層は傾斜しているため杭の長さが不均一になります。そのため施工時には一本ずつ支持層に到達したかを確認する必要が
あるが、AK担当者は何らかの原因で施工時のデータが正確に取れていなかったにもかかわらず、「設計通りに施工しているの
で過去の経験から問題ないだろう」と判断しデータを改ざんし報告書を作成した。
2.実際にはAKが杭の設計をしていたため長さの設定の責任も負っており、杭を作り替えるための工期延長を言えなかったのか?
3.元請けのM建設担当者は、専門工事会社の「責任施工」の大義名分のもと報告書をよく確認しなかった。(内部調査で改ざんを
発見している)
・建物が傾いた原因は専門家の意見として次のように言われています。
支持層見逃し+地盤沈下+既存杭悪影響+ダイナウィング工法のミスマッチ
今回の建物は「分譲マンション」「建物が連結していたために4/10万のずれを発見」「施工データの改ざん」「販売主が超大手不動産会社であり信用を重視した」ということが重なり全棟建替となり良かったと思います。尚この時、弊社にもAKや他の杭施工会社より過去の施工データの情報提供要求があり大変な手間がかかりました。もちろん問題はありませんでした。
そしてこの事件の結果、現在では杭の施工データ管理もデジタル化され厳格化されています。また、分譲マンションの大手ディベローッパーの検査は日本最強と言われるほど厳しくなったと言われています。
【来客紹介】 |
0名 |
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【出席報告】 |
4年8月26日(第914回例会) |
会員総数 |
出席免除会員 |
出席会員 |
欠席会員 |
出席率 |
40名 |
0名 |
20名 |
20名 |
50% |
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【幹事報告】
〔回覧資料〕 1)出欠表(9~10月の例会 ・ 10/1バザー ・ 10/4公式ゴルフコンペ)