雑学のすすめ 「花火」 大屋 準一 会員
「前置き」 私たちが慣れ親しんでいる花火について調べてみました。
◆花火の起源
中国で使われていた「狼煙(ノロシ)」がルーツだと言われています。
その後、観賞用の花火として14世紀にイタリアのフィレンツェで始まりました。
日本では1613年に徳川家康がイギリス国王の使いが持ってきた花火を見た、という記録が残っているようです。
※ところが、1972年に出版された『仙台藩資料大成』に収録の『伊達家治家記録』に、1589年には米沢城で伊達政宗が唐人に
よる花火を楽しんだとの記述が!
◆日本で最古の花火大会
1733年開催の「両国川開き花火大会」が起源と言われています。 これが、隅田川花火大会です。
隅田川花火大会起源に由来をし、各地で夏に花火大会が行われるようになりました。
◆なぜ夏に花火をするのか ~花火には鎮魂の意味が~
日本でも有数の花火大会である隅田川花火大会は鎮魂のために行われたのです。
徳川吉宗の御世、大飢饉とコレラの大流行によって多くの人が亡くなりました。 その霊を慰めるために行われたのが、隅田川花火大会なのです。
花火には鎮魂の意味があるのです。 お盆の季節と重なることが多いのは、死者の霊を慰めるためなのです。
◆花火の種類
花火には大きく分けて「割物」、「ポカ物」、「型物」、「仕掛け花火」といった種類があります。
★「割物」とはいわゆる一般的な丸い打ち上げ花火のこと。
★「ポカ物」は星が飛散しないもの(※星とは花火で発色している火薬を指します。)
★「型物」とは 「割物」の変形で、土星などの形に星が飛散するものなど
★「仕掛け花火」とは木枠などで文字や風景の形を組み立てているもの
◆花火のかけごえ
「たまや~」「かぎや~」と聞いたことはありませんか? 実はあれ屋号だったんです。
日本橋横山町に鍵屋という花火問屋(火薬を扱う問屋)がありました。 鍵屋から1810年にのれん分けをしたのが玉屋です。
隅田川の花火大会で、見ていた庶民が二大花火師のどちらが美しいのか?判定をしたわけです。
「たまや」「かぎや」以外にも有名な花火師はいたと思うのですが、この2つの花火師ほどの技術を持っているところがなかったこともあり、この2つ以外の掛け声というのはないのだそうです。
ちなみに「鍵屋」は現在でも続いており、今でも隅田川花火大会に参加をしています。
しかしながら玉屋は1843年5月(天保14年)の失火で店のみならず町並みを焼く騒動で財産没収・江戸追放になり、僅か一代で家名断絶となってしまいました。
◆花火の原料
(はなび)は、火薬と金属の粉末を混ぜて包んだもので、火を付け、燃焼・破裂時の音や火花の色、形状などを鑑賞する。火花に色をつけるために金属の炎色反応を利用しており、混ぜ合わせる金属の種類によってさまざまな色合いの火花を出すことができます。
◆価格 (伝統的に打ち上げ花火の「玉」の大きさは寸、尺であらわされる。)
花火の種類、複雑さ、花火師により価格が大きく異なるが、一般的な打ち上げ花火の一発あたりの相場は・・・(表2)
◆花火の日
戦後、花火が解禁された1948年8月1日の記念に、東京本所厩橋で大規模な花火爆発事故の起きた1955年8月1日の追悼、世界最大ともいわれる教祖祭PL花火芸術の開催日8月1日の記念を兼ね、花火の日が8月1日に制定された(1967年制定)。このほか両国川開きが旧暦5月28日であったことから、5月28日も花火の日となっている。