「今時の大学生」 玉置 栄一 会員
平成17年の秋に、母校から「会計学特殊講義」を担当するよう打診があり、引き受けることにしました。卒業後は、大学とは疎遠になっていたため、30年近いブランクがあり私たちの時代の学生生活との落差には驚きの連続でした。
1.女子学生割合が非常に高い(全学生の40%は女子学生)。
昔は、文学部以外では女子学生は数えるくらいしかおらず、卒業しても就職は縁故を頼るしかない状況でしたので、リクルート・スーツに身をまとっている女子学生の集団は異様な風景に映りました。私たちの時代の女子学生は目的意識が高く、非常にまじめに授業を聞いていたのですが、女学生の男性化が進化している現状を目の当たりにしました。でも、女子学生のほうがしっかりしていることは間違いありません。
2.男子と女子の垣根がなくなってきている。
なぎなた部、茶道部の主将は男子学生であることに驚きました。リーダーシップや統率能力は男性の方があるのかもしれません(いい加減な方が組織をまとめやすいのかも)
3.飲酒に対する規制が厳しくなっている。
新入生歓迎コンパでも、未成年の飲酒は禁止されている。法律的には当然と言えば当然ではありますが・・・。未成年には胸にシールを貼って飲酒させないように配慮がなされている。飲酒事故が大学活動に重要な支障をきたすのでしょう。
4.授業の出席率が非常に高い(でも、理解度は???)
私たちの時代は、連休明けには学生の姿がキャンパスから消えていたのですが(あくまで文化系の話ですが)。通学途中で拉致される事件が昔は多発しておりました。
5.試験を過度に意識している。
最初の授業の時には、講義終了後に学生からの質問が集中します。その質問は試験の内容でした。私たちの時代では試験前の授業で先生がヒントをくれたものでしたが
6.試験に淡白である
試験に対する質問が多いのですが、白紙に近い答案も散見されました。私たちの時代では、単位をいただくため、試験問題が分からなくても答案用紙には何らかの回答を書いたものです。面白かったら優は無理でも、良をいただいたような記憶があります。
7.3年生になると就職活動に意識が向き、勉強する環境にない
3年生の6月頃からスタートするようですね。夏にはインターンシップがあるようです。ゼミのもっとも大事な時期に勉強できない実情を無視して大学教育の悪口は??
8.現役合格者の割合が増加し、自宅通学者・寮生の割合が高くなっている
不景気の影響でしょうか。奨学金も以前では考えられないほど充実してます。
9.親の子離れが(自立できない大学生)
入学式に親が付いてくるなんて、以前は考えられませんでした。海外留学を推奨しているのですが、職員は一苦労みたいです。