■会長の時間
皆様 こんにちわ。 今日は、韓国の判決の話をします。
昨日、ソウルの裁判所が、不二越という日本の工作機械メーカーに対し、「不二越は、日本の侵略戦争政策に便乗し、幼い女子学生をだまして劣悪な環境で危険な労働を強制した」とし、「これは反人道的な不法行為であり、被害者の苦痛に対し慰謝料を支払う必要がある。」との判決を出したとのニュースがありました。慰謝料額は1人当たり1000万円程度です。不二越側の主張の骨子は、①1965年の日韓請求権・経済協定により解決済み、②時効、と想定され、このような主張が認められなかったのでしょう。
韓国司法の反日的な姿勢に批判もあります。しかし、今日はそのことは横に置き、裁判或いは裁判管轄について話をします。
このような判決が韓国で続出すると、戦前、韓国人を働かせていた企業は、韓国に支店・工場を置けないこととなります。支店・工場を置いていると、それらについて、韓国裁判所による強制執行が可能だからです。日本の司法では、このような韓国の判決について、当事者が、日本で強制執行の認容を求めてきたら、どう対応するかという問題が出てきます。
強制執行認容の可否については、民事訴訟法118条が規定しています。上記の韓国判決は、118条の要件である「(外国)判決の内容及び訴訟手続が日本の公の秩序又は善良の風俗に反しないこと」で切ること(不認容)となると思います。
国際化に伴い、他国に住む人を日本の裁判所に被告として呼び出す要件は何か(直接管轄)、他国の確定判決について日本で強制執行を認める要件は何か(間接管轄)は、重要な問題となってきています。わが国の民事訴訟法でも、平成23年に、国際裁判管轄に関する3条の2ないし3条の12という規定を新設しています。私も、現在、国際裁判管轄を主たる論点とする事件を2件抱えています。今後も、このような国際裁判管轄が論点となる事件は増えると思います。
【来客紹介】 |
1名 |
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【出席報告】 |
26年10月31日(第608回例会) |
会員総数 |
出席免除会員 |
出席会員 |
欠席会員 |
出席率 |
35名 |
2名 |
23名 |
10名 |
69.7% |
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【幹事報告】
〔メールBOXに配布〕 1)「米山特別寄付」「ロータリー財団寄付」について 2)米山奨学会「豆辞典」