「門上 武司」 花谷 尚嗣 会員
皆さんにお渡しした本 「僕を呼ぶ料理店 」の著者である、門上武司さんについて、 簡単に門上さんのプロフィールをご紹介して
おきます。
1952年大阪府生まれ。現在は、「株式会社ジオード」 の代表取締役であり、雑誌 「あまから手帖」 の編集顧問をされています。
「僕を呼ぶ料理店」は雑誌「あまから手帖」の連載をまとめたものですが、言い換えれば、僕を呼ぶ料理人であり、美食ガイドの形式をとりながら、その店の料理人を描き出した人物肖像集とも言えます。
門上氏いわく、「食の愉しみは、人間の特権である」と。
人間と動物の違いは、食べることの目的があるかないかです。
動物は生命維持のためだけに食べる。したがって、それは単なる食料であり、確かに人間も動物の一種で、生命維持のために食べるのですが、それを意識することなく食事の時間を過ごしています。
しかし、そこには、毎食異なる目的があり、
いつ、どこで、だれと、何のために食べるかということ。
ここで一番大事なのは、何のために食べるかである。
仕事の接待なのか、家族の団欒なのか、恋人同士か、気の合う仲間同士か。
自ずと、その目的から選ぶお店も違うし、カウンターで親しく語り合いながらの食事なのか、テーブルで対面しながら楽しくわいわい食事するのかである。
会話を交わしながら、料理を分け合いながらという行為も人間だけの特権である。だから食べることは単に必要な栄養をとるという意味だけでなく、とても楽しい時間となりうるのです。
また、お店に行っても、ただ食事をして帰る方が殆どかもしれませんが、
料理人の話を聞くことで、さらにその美味しさが倍増するとのことです。
じつは、料理はその味わいだけでなく、作り手である料理人の個性を楽しむのも人間として愉しみであり、これもまた、人間の特権であり、大いに楽しまないともったいないということですので、皆さんもぜひ実践なさってみてはいかがでしょうか。