■会長の時間
7月25日に最高裁の話をして、2、3回続けると言いましたが、8月1日は、別の事件の話をしました。そこで、今回は、最高裁の話に戻します。
私も、25年以上弁護士の仕事をしていますが、今年4月にはじめて最高裁の口頭弁論を経験しました。マスコミ狙いの事件等を除き、ほとんどの弁護士、裁判官、検察官も、最高裁の法廷に行くことはまずないと言えます。
事件の内容は割愛して、今日は最高裁の雰囲気を説明します。
最高裁小法廷は、中規模の映画館程度の広さです。ただ、天井は、通常の建物の2階半程度の高さがありました。備品も立派で、絨毯も10㎝位の厚さでした。代理人席の椅子も、革張りで、しかも重く、立つときに苦労したほどでした。
法廷は、向かって正面に、裁判官席が5つあり、その下に書記官席が2つあります。上告人代理人席が向かって中央やや左側に5席、被上告人代理人席が向かってやや右側に5席あります。裁判官席と向かい合う位置にあり、下級審とは違います。
皆様がテレビで見るような、証人席の前にある小さな机はありません。これは、最高裁が事実認定をしない法律審だからです。最高裁では、刑事事件でも被告人は出頭しないので被告人席もありません。
私は、約束に従い30分前に出頭し、控室に通されました。控室では一人でした。そして、15分前に廷吏に案内されて法廷に入りました。
地裁等は、多数の事件をこなしますから、ざわついていることもあります。しかし、最高裁では、事件は1日一件程度とのことで、静寂につつまれています。
裁判の10分くらい前に、一人の廷吏が、傍聴席の前に立ち、直立不動で、注意事項を説明します。
裁判が始まる数分前、正面横のドアが開き、女性廷吏が前に進み出て、一礼した後、「まもなく、裁判が始まります。」と告げて、戻ります。
裁判は全てが儀式です。その手順は、前もって決めています。私にも、ほぼ、連日、最高裁書記官から電話があり、意見陳述をするか否かなど儀式の手順を決め、又、その説明もありました。その場の状況で臨機応変に対応することは許されないのです。
このような状況ですから、私の依頼者も「このような厳粛な場には来たことがない。」「これに勝る厳粛な場は皇居しか考えられない。」と感動していました。確かに、日本の三権のうち、国会はざわついた場であり、内閣は一般の人は入れません。従って、三権のうちでは、もっとも、厳粛な場が最高裁であることは間違っていないと思います。
【来客紹介】 |
2名 |
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【出席報告】 |
26年8月22日(第599回例会) |
会員総数 |
出席免除会員 |
出席会員 |
欠席会員 |
出席率 |
35名 |
2名 |
23名 |
10名 |
69.7% |
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【幹事報告】
〔メールBOXに配布〕 1)第2回理事会報告
〔メール送信〕 1)第600回記念例会のご案内(再送) ⇒ 8/19 配信
2)大輪ゴルフ会のご案内(再送) ⇒ 8/19 配信
〔回覧資料〕 1)米山梅吉記念館 館報(2014秋)