■会長の時間
今日は「AH事件」についてお話しさせていただきます。
「AH事件」とは、2005年一級建築士のAHさんという方が建物の構造計算書を偽造したという事件です。私はこの報道を聞いたとき、「AH」という苗字があることと「これで又業界に対する世間の目が厳しくなるなあ」と思いました。と言いますのも1993年ごろ建設業界の談合が大きく取り上げられ社会問題化していましたので「またか」という思いでした。
事件の概要は、物件名:GS北千住(分譲マンション)、デベロッパー:㈱F、設計者:㈱S建築研究所、構造設計担当:AH建築設計事務所、施工者:K建設㈱(S組)、民間検査機関:IH㈱。発端は施工者のS組担当者が、建築許可の下りていた当該物件であるが鉄筋のあまりの少なさに不信感を抱き、別のAR設計に構造計算チェックを依頼、AR設計は計算書が改ざんされていることを発見し、民間検査機関IH㈱に報告するもIH㈱はすぐには表面化させなかった。しかし匿名で国交省に通報があり、国交相がIH㈱に立ち入り検査を実施するに至り明るみに出たという経緯でした。
構造計算書を改ざんしたのはAH設計ですが、構造計算自体がコンピューター化され計算内容はブラックボックス化しているとはいえ、長年に渡り改ざんを見過ごし建築許可を発行してきた検査機関の審査の杜撰さにも責任があるのは明らかです。AH設計は1998年より改ざんを行ってきたと証言しており、7年間にもわたり発見されなかったということになります。発覚した前年の2004年、AR設計は赤羽橋のワンルームマンションについても別の民間検査機関NEの担当者に改ざんがあることを進言しましたが、再審査されることなく建設されました。また他の物件の許可履歴を照合すると、1998年から2001年までの物件は行政機関で審査を行っていましたが、改ざんは発見されることなく建築は許可され建物は建てられています。そしてこれらの民間検査機関・役所には何のお咎めもありませんでした。当事者のIH㈱にすら検査業務に過失は無かったと裁判所は決定しています。
また、デベロッパー:㈱Fや施工者:K建設㈱も状況から察するに、改ざん教唆はあったと思われますが立証されず、この件では事実上無罪となっています。
私利私欲にまみれ目先の利益にとらわれ判断を間違えることへの自戒の念と共に、多大なる損失を発生させ、多くの人命を危険にさらし、社会的不安と建設業界に対する不信を招いた事件が、多くの関係者がいる中で核心の部分ではただ一人の責任とされた結論に個人的には納得できませんが、これが現在の裁判の実態かなと思わされる事件でした。
【来客紹介】 |
0名 |
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【出席報告】 |
4年8月5日(第912回例会) |
会員総数 |
出席免除会員 |
出席会員 |
欠席会員 |
出席率 |
40名 |
0名 |
27名 |
13名 |
67.5% |
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【幹事報告】
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ロータリーXmasの日程変更により12月と2月のプログラムが一部変更になりました。 概況報告書P54~P55をご確認ください。
〔メール送信〕 1)ガバナー月信8月号 ⇒ 8/2 配信 2)ロータリーの友8月号 推奨記事と関連記事のご紹介 ⇒ 8/5 配信
〔回覧資料〕 1)アフター例会(8/19 例会終了後)の出欠表