米山奨学委員会 菊 泰仁 委員長 ・ 米山奨学生 タッ ゴク トゥアン(ユウ)さん
10月は「米山月間」です。 ロータリー米山記念奨学会から「米山豆辞典」が届きましたので、本日お渡しをいたします。
ぜひご一読いただき、米山奨学会事業や米山寄付にご理解をお願いいたします。
本日はこの後、米山奨学生のタッ ゴク トゥアン(ユウ)さんに卓話をしていただきます。皆さん、楽しみにお聞きください。
【大産大生の生活を始めたら、自分ができたことやこれから挑戦したいこと】
2019年4月に大阪産業大学に入学した。1年生の時、大学と日本語学校での日本語レベルの差が大きく感じられた。そして、ベトナム人は商学科では私一人しかいなかった。社交的な私は入学式直後に他国からの留学生や日本人の友達ができたが、最初の2週間は授業に全然追いつけなかった。この状況を止めなければ、留年してしまうと考えた。そこで、毎日の授業の後、図書館でその日の復習と翌日の予習をするようにした。さらにもう一つの復習方法として、自分が理解したことを友達と教え合った。また、授業中に理解できなかった内容があれば、すぐに日本人の友達か先生に直接聞くようにした。このような勉強の仕方で、1ヶ月後には大学の授業に追いつくことができた。1年生の間、パソコンに関する資格:MOS(Microsoft Office Specialist)WordやMOS Excelを取得した。2年生や3年生の間、新型コロナウイルスの影響で授業はオンラインで行った。非対面の授業でレポートに力を入れた。これによって、日本語読解や作文の能力が非常に向上した。そして、2020年12月、日本語能力試験1級(N1・131点/180点)を取得した。また、大学の3年間の成績は学科内(227人)で常に上位4%に入っている。
大学はリモート形式で通学時間が無くなり、しかも、3年生の時、残る単位はかなり少ない状況。それで、就活に必要な資格を取っておいた。今年の7月にTOEIC(Listening& Reading)が815点(/990点)、そして、9月に運転免許も取得した。私は動画を取ることや学んだことを他人に共有することに趣味があり、空いた時間を活用して、2020年3月に教育のYouTubeチャンネルを作った。その名前はTHUAN VNJP、2021年10月1日時点での登録者数は1060人、視聴回数は54,431回に届いた。チャンネルの概要は留学生の生活、日本語を学ぶ方法、旅行などについて動画をアップしている。中でも日本人の若者言葉に関する動画が一番人気で6674回視聴(2021年10月1日時点)だとわかった。そして、最近アップロードした動画はロータリー米山奨学金の面接対策という内容で日本全国の後輩たちから感謝のメッセージをいっぱい頂いた。
ちなみに、今年の学校の面接の前に、大産大生の後輩ベトナム人2人が私からの個人のアドバイスを受けた結果、二人ともロータリー奨学金応募者として学校に選ばれ、本番申請の手続きをしているそうである。これで、初めて他人の役に立ったことをした気がして、すごく嬉しかった。その他、今年の1月から日本語能力試験2級に向けて勉強する人を支援するため、教科書を参考にしながら自分の経験を踏まえ、自らで日本語2級知識をまとめる復習資料を書き出した。その時、今年の7月の2級試験を目指している3人の後輩がその資料を信用し、活用してくれた。さらに、毎週3回、私含め4人でZOOMを通じて、勉強会を行った。もちろん、他の教科書を使って勉強することも含めて、自分の経験で一生懸命皆さんに知識を伝えた。試験の日まで、毎日頑張っている皆さんは3人全員2級に合格した。これで、今までで一番自分がやってきたことに対する手応えを感じた。
現在、卒業前に日本語1級や運転の学科試験の知識をまとめる復習資料を書き出したいと考えている。できるだけ早くその知識が必要とするベトナム人に共有したい。また、卒業前に今まで取得したTOEIC資格や日本語1級資格の点数は自分の限界を越えられるかどうか、年末でもう一度挑戦してみたいと思う。そして、将来良い通訳者になるため、今後は日本語の発音を厳しく練習し、文法をできるだけ正しく使うようにいつも心掛けていく。来年、4年生になり、日本での就活が順調に進められるように、現在準備している。これから立派な社会人になるように、精一杯努力している。 以上 THUAN VNJP