「適材適所」 佐田 幸夫 会員
伝統的な日本家屋や寺社などの建築現場での木材の使い分けがその語源である。すなわち”適材適所”の材とは木材の材を意味する。豊富な森林に囲まれた日本では、針葉樹・広葉樹など実にさまざまな木材が建築に使われてきた歴史がある。建物を支える柱や梁などにも、実に適切で理にかなった使い分けがなされてきた。例えば土台には腐りにくく耐久性の高い檜(ヒノキ)や栗(クリ)を、内装の一部になる柱には木目の美しくやさしい肌合いの杉(スギ)を、また屋根や二階以上の重量を支える梁には強靭な松(マツ)をといった具合である。
【もみの木の話】
○ダニ、カビや害虫をシャットアウト
カビの発生は住宅内の結露が原因と言われています。水分のたまった壁はカビで黒くなります。カビはダニの食糧です。結露のない空間にはカビの発生がないから、ダニも住み着かない。もみの木 の内装材は空気中の湿度に反応して、細胞が膨張したり収縮したりします。 そして細胞が変化するたびに フィトンチッド を放出する機能を持っていて、このフィトンチッド の中に、ゴキブリなどの害虫やカビを寄せ付けない成分が含まれている。
○室内の空気がキレイになる
吸着する物質はたくさんあるが、もみの木をはじめ フィトンチッド を放出する木や草は、化学物質と結合して化学変化(変質)させます。 もみの木や杉の木は化学物質(ホルムアルデヒドなど)の分解能力が特に高いと言われている。
○極めて微香性で高い消臭効果
タバコ・食べ物の腐敗臭・汗をかいた運動靴の臭い。 臭い成分の正体はアミン酸。
アミン酸と フィトンチッド が結合するとアミノ酸に変化することが証明されています。 つまりこれも化学変化です。
台所、下駄箱、トイレに使用すると効果がわかりやすい。
○温度、湿度調整をしてくれる
段ボール紙のように空気層のある物質は熱を通しにくいものですが、 もみの木 には1平方㍉の中に1000個~2000個の細胞があります。5㍍くらいの厚みの段ボールを1㍉の厚みにしたと考えてくれるかな。その細胞の一つ一つが蓄熱体として機能するから省エネルギーになる。暑さを感じるのは、気温でなく湿度。
○風邪に効果あり
冬は空気が乾燥しますが、湿度が30%以下になると細菌類は活発になりインフルエンザなどにかかりやすくなります。夏風邪はクーラーによる室内の乾燥が大きな原因です。 50%~65%の湿度を維持する もみの木 の内装材は適材と言える。